アコルス・カラムス

水草の育て方1　（水草の種類）

アコルス・カラムスは全国各地の平地の小川や池沼などの水辺に群生する抽水性の多年草です。
和名はショウブ、漢字名は菖蒲。アコルス・カラムスの葉は根茎の先から扇状に重なり、根生して各葉は剣状線形。
鋭尖頭、濃緑色、葉面平滑。
葉は根茎の先端から袴状に重なって根生し長剣状、長さ５０～１２０cm、幅６～２５mm、先端はやや斜傾し鋭尖頭、帯黄濃緑色、平滑、中央脈が顕著に隆起します。
葉の基部は鞘状で、やや茎を抱き、わずかに細く扇平、内折して鞘状、中央脈は二角状に降起して堅いです。アコルス・カラムスの根茎は太く頑丈で、泥中を横走。
直径０.８～２cm位。
節が密で多く、淡紅緑色。アコルス・カラムスは茎、葉ともに芳香があります。アコルス・カラムスの花期は５～７月。淡黄色の小花を密につけます。
花は葉より短い三角状の花柄の上部に肉穂花序をつけます。
花序は円筒状で長さ４～８cm、直径０.６～１cm。
表面に淡黄緑色の小花を多数密生します。
葉間中央部から花柄が出て、長さ５０～６０cm。
葉より短く扁平で三角柱状、上方に小指状のめだたない無柄の肉穂花序を１個斜出します。
花序基部の上方にある別状葉は苞で、長さ２０～４０mm、幅５～８mm。
小花は両性花で、花被片６、雄しべ６、雌しべ１、葯は淡蹟色、花糸は白色、花被とほぼ同長。
子房上位で子房はつぼ状、高さ約３mm、柱頭は頭巾状、花後帯緑色となり、まれに帯赤色の長楕円状の果実をつくります。アコルス・カラムス、ショウブの万葉名はアヤメグサ（安夜女艮佐）と呼び、これに菖蒲の文字を当てたことに由来しています。
漢字名は他に白菖、水菖蒲、泥菖などがあり、中国名には他に、臭蒲子（チョウプウツウ）、水菖蒲（シゥイチャンプウ）、泥菖蒲（ニイチャンプウ）があります。
和名の別名にはほかにウタカタグサ、オトコショウブ、オニゼキショウ、ノキアヤメなどがあります。５月５日を菖蒲の節句（端午の節句）と昔から言われています。
５月５日がショウブの開花期であるとする説のほか、中国の戦国時代に、楚の国の政治家の屈原が不正な反対派の人に追われ、洞庭湖の泪羅（べきら）で投身自殺した命日が５月５日で、これを記念したという中国の風習が日本に伝わったという説があります。
中国では古来より、ショウブの形が刀に似ていること、邪気を祓うような爽やかな香りを持つことから、男子にとって縁起の良い植物とされ、家屋の外壁から張り出した軒（のき）に吊るしたり、枕の下に置いて寝たりしていました。
日本でも菖蒲の節句には茎葉を菖蒲湯にしたり、ヨモギとともに魔よけの飾りとして、軒先にさす風習が昔から伝わっています。根茎を漢方で、菖蒲根と呼び、精油成分であるアサロン、テルペンアルコールその他を約３％含む。
健胃剤その他の薬用にします。アコルス・カラムスの学名はAcorus calamus var. angustatus、ショウブ属(Acorus)の管の(calamus)細い(angustatus)の意味です。
Acorus（アコルス）は、ギリシャ語の「a（否定）＋coros（装飾）」が語源で「美しくない花」の意味です。ショウブ（菖蒲）は、古くはアヤメと呼んだことがありますが、花が咲くアヤメ（花菖蒲）とは異なる別の植物になります。
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水草の育て方2　（水草の育成）

アコルス・カラムスは日本では冬季地上部が枯死しますが、根茎で越冬します。
熱帯地方では常緑です。
育て方は花菖蒲とほとんど変わりありませんが、抽水状態での栽培では窒素系の肥料を与えると良い結果になります。

水草の増やし方

アコルス・カラムスは大株に成ると、小さな子株が株の脇に沢山出て来るので、株分けします。
株分けは、小さくても良いので、子株に必ず親株の付いた状態にします。

水草水槽のレイアウト

アコルス・カラムスは水鉢、小池などの屋外栽培に適しますが、室内水槽においても利用できます。
抽水状態での栽培が適当です。
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水草図鑑データ

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