水草の育て方1 (水草の種類)
テンプルプラントは主としてタイ、マレーの湿地や、池沼の浅水部や水辺に自生しています。
草丈が1m近くにもなる代表的大型有茎水草の一種として知られます。テンプルプラントは、ラージソーフ・ハイグロとよく似ていますが、葉柄(葉と茎をつなぐ棒状の部分)が長く、また、葉の幅もやや広いことで見分けられます。テンプルプラントは先端の尖る長細い卵形の葉を対生させます。
葉は対生し典型的な卵形、鋸歯縁(ギザギザがある葉)で波打っています。
基部はクサビ状で多少の翼がつく葉柄があり、長さ約1~2.5cm、葉身の長さ約6~10cm、幅3~5cmで頂茎部の葉は褐緑色です。水上葉の葉縁や葉柄に短毛が多く、葉の両面にも微毛があります。
水上葉は広皮針型、長さ10cm程度のダークグリーンの葉を対生させます。
茎は太く四角形になり白い突起を有します。水中葉は鮮緑色でやや細長くなり鋸歯も目立たなくなります。
水中葉の葉長は15cmほどになります。
水槽の成条件によっては水上葉よりはるかに大きい葉を付け、水槽の高さに達するとそのまま水面上に出て、そのまま水上葉となる場合が多いです。
茎はやや角張る方形でやや木質、頑丈で節にふくらみがあり有毛で、少し赤味を帯びています。テンプルプラントの花は水上の頂茎部葉腋に総状につき、小花冠は淡紫色の唇形の花です。
学名Hygrophila corymbosaのcorymbosaはcorymb、[花序が散房花の]という意味です。熱帯魚ショップで市販されるものの殆どは水上葉で、ダークグリーンの葉を付けている事から判別できます。
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水草の育て方2 (水草の育成)
テンプルプラントは意外に育成が難しい水草のひとつです。一般的な水槽の軟水中ではpH5.5~8.8、15~30℃で育てることができます。
水上葉を水中に植える場合には、新しい芽を残して葉を切り落すのが良いです。
これは、茎節から出た新芽に対する光線を遮ることと、水上葉であるため、いずれ枯れ落ちてしまうからです。底床に差し込むだけで根付きますが、あまり長くすると腐る場合がありますので茎節下1cm以内でカットします。強軟水中では、葉が萎縮し、透明感のあるうすいダークグリーンとなり、成長は極めて悪くなります。
この場合には、重炭酸ナトリウムを少量添加して、硬度を2~4dHにすると、ライトグリーンの正状葉を付けるようになります。
また、水溶性肥料添加も有効です。水上葉が市販されていることが多いですが、肥料を多めに与えて二酸化炭素(Co2)を添加し、光量を強くすると、水中葉が伸びてきます。
水中葉が伸び始めたら水上葉を早めに切り落とし、水草の下部にも光が届くようにして側枝の生長を促しましょう。
水中葉もかなり大きくなりますので、下葉の光量不足に注意しましょう。
新しく水槽に移す時に新芽が縮れる場合がありますが、これは根が底床に十分に張っていないからです。テンプルプラントは、太くて長い根を砂中四方に張りめぐらし、根部からの栄養吸収力が強いため、肥料の砂中添加が、特に有効です。
水草の増やし方
テンプルプラントは、光量の高低に関わらず脇芽を出しやすく、頂芽を切り取ると各茎節から脇芽が出て、驚くほどの繁殖力があります。有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。
水草水槽のレイアウト
テンプルプラントはハイグロフィラの仲間では最も丈夫な水草で、アクアリウムのレイアウトに用いられる代表的な種類です。
テンプルプラントは大型水槽のレイアウト向きの容姿で、水深が60cm以上の水槽で最大の魅力を発揮します。
高光量下で順調に成長したテンプルプラントのライトグリーンの葉は特に美しいです。テンプルプラントは水槽後方から高さの調節をしながら中段にかけて植えると木の生えた森を作ることができます。
茎を中央部からトリミングをすると、茎節から出る脇芽が側枝となりボリューム感を出すことができます。
テンプルプラントならではの魅力です。テンプルプラントは高光量高肥料下では成長が速く、広皮針型の葉は20cmに達する大型草となり、ヨーロッパ形式の水槽ではセンタープランツとして3~5株をまとめ植えで用いられます。テンプルプラントは低光量低肥料下では皮針形から狭皮針形の4~5cmの葉を付けるので小型水槽のレイアウトにも用いることができます。
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水草図鑑データ
名称 | テンプルプラント |
学名 | Hygrophila corymbosa |
和名 | |
別名 | |
科名 | キツネノゴマ科 |
原産 | アジア、タイ、マレー、インドネシア |
光量 | 強い 20wX 4本 |
二酸化炭素 | 必ず添加 |
水質 | 弱酸性~中性 |
硬度 | 軟水~中硬水 |
水温 | 15~30℃ |
形態 | 有茎 |
栽培難易度 | 容易 |
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