水草の育て方1 (水草の種類)
オランダプラントは独特な水中葉の美しさで人気が高い水草です。
優雅なシソ科ミズトラノオ属の中でも特に華麗な1種といえるでしょう。
学名(stellata=星のような)が示しているように、先が細い繊細な葉が4~11枚輪生して星のような放射状に伸びる特徴の水草です。ミズネコノオと同種であるとの説もありますが、オランダプラントの方がやや大型で、葉縁の鋸歯が明瞭で新葉に赤紫色が強くあらわれるなど、視覚的にも差異が認められます。オランダプラントは水上での茎は通常直立し高さ30~50cm、、角張り、無毛でよく分枝します。水上葉は4~10枚輪生し、長さ3~8cm幅3~7mm。
線状の長倒披針形でやや外側にそり返ります。
鈍頭またはやや鋭頭、基部は翼がかるクサビ形で短柄で、節と葉柄と葉の裏は淡紫色で無毛か微毛です。オランダプラントは水上葉と水中葉で色と形状が異なります。
水中葉は水上葉に比べて小さく、同じ水草とは思えないほどです。
水中葉は葉表は黄緑、裏はピンクから黄色味を帯びた赤色で、線状の葉を数枚輪生させます。
膜質で鋸歯は消えるかほとんど目立たなくなります。花は茎頂部に長さ2~4cm位の穂状花序を作り、紫紅色の唇形小花が多く咲きます。水中育成したものは、育成条件によって形状が異なりますが、市販される水中葉は先端が尖る線型葉を、4~10枚ほど輪生させます。
太陽光で育てられた水上葉が市販されていることが多いです。
最近は輸入状態の良い水中葉も出回り始めています。
購入にあたっては水上葉をお勧めします。
水中葉の多くは輸入品であり、草体の傷みが激しく、次第に溶けるように枯れることが多いです。
ただし、熱帯魚ショップで水槽化させた水中葉があれば高値でも溶けるように枯れることはあまりありません。
アマニア・セネガレンシスも同様のことが言えます。
オランダプラントをアマゾンで探す
オランダプラントを楽天市場で探す
水草の育て方2 (水草の育成)
オランダプラントは針のような葉を輪生させる水中葉が大変美しい水草ですが、育成は難しく、伸び切った時点で枯れ落ちることが多いです。
調子が良く生長するか、生長せずに枯れるかのどちらかに偏りやすく、他の水草のように、最好調ではないですが枯れずに育成している、という状態はほとんどありません。オランダプラントを美しく育てるには、硬度dHを2より高くし、pHは中性から弱酸性、強目の光量を与えることです。
溶存二酸化炭素(Co2)量も15mg/l以上に多くします。
水温は低めで25℃前後が良いようです。オランダプラントは、蛍光灯の水槽で水中育成できますが、どちらかと言えば水中育成より水上育成の方がしやすい植物と言えます。
オランダプラントのような水草は、溶存二酸化炭素(Co2)量を多くすることで、水中育成できる水草の一種であり、溶存二酸化炭素(Co2)量の少ない水槽での育成は困難です。
オランダプラントを水槽育成しようとする場合、二酸化炭素(Co2)ボンベを用意し、直接二酸化炭素(Co2)を水中へ強制添加するのが、最も良い方法です。光量をやや強目にし液体肥料の添加と同時に、底床添加用の肥料を必ず加えるようにしましょう。
水草が、葉面や茎から栄養分を吸収することは、一般に知られていることですが、根からの栄養分の吸収が強い水草も数多くあります。
オランダプラントはこのような根からの栄養分の吸収が強い水草で、根をたえず切り落す操作を繰り返すと、次第に生長が鈍化して枯死することが多いです。
トリミングはできる限り茎下部の切断を行なわないような方法をとるとよいでしょう。
それには、茎が折れないように注意深く底床の茎をそのまま押し込むようにします。
こうすることで、根からの養分吸収が損なわれることなく、新しい根を出させることができます。水質は、硬度をやや高目にした方が、オランダプラントらしい太い茎に大きな輪生葉を付けてくれます。
日本の水道水は硬度が低い水が多いので、重炭酸ナトリウムを加えて4~10dHとし、二酸化炭素(Co2)の強制添加でpHを中性から弱酸性にすると良いです。
サンゴ砂などを少量濾過槽や底床に混ぜて、二酸化炭素(Co2)の直接添加をすれば、硬度が上昇し、高い硬度を持つ水質を得ることができます。
日本の水道水のままの強軟水でも育成できますが、茎が細く葉は小さく、また輪生葉数も少なくなり、弱々しく、色彩もうすい黄緑色になります。
水草の増やし方
オランダプラントは濃黄色の太い茎と紫がかった葉を持つ立派な株を入手し、底床に植えると、ゆっくりと細い茎を伸ばし始めます。有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。
水草水槽のレイアウト
オランダプラントの水中葉は独特の魅力があり手間をかけるだけの価値がある水草です。
熱帯魚店に入荷する水上葉は、やや魅力に乏しいので見すごされがちな水草ですが、水中葉はとてもきれいになり、まとめ植えすると、すばらしい水景が作り出せます。オランダプラントはアクアリウムでは、太い茎に大輪葉を付けた育成状態の良いものはセンタープラントとして使用できます。
センターに数本レイアウトすれば水槽がよく映え、その育成がむずかしいだけに、美しく育つたときは喜びもまたひとしおです。また、低光量下で育成した小輪葉を付けたものは、数本をまとめ植えすることでオランダプラントの別の面の美しさを鑑賞できます。オランダプラントは生長の良否の差が激しく、長期間の育成は難しく高度な育成技術が必要な為、レイアウト的な必要性以上に、水草コレクションやテクニックの誇示的な性格も強いです。
オランダプラントをアマゾンで探す
オランダプラントを楽天市場で探す
水草図鑑データ
名称 | オランダプラント |
学名 | Pogostemon stellatus |
和名 | |
別名 | クリスマスプラント |
科名 | シソ科 |
原産 | 東南アジア(西日本・朝鮮)、熱帯アジア、南アジア、オーストラリア、インド |
光量 | 強い 20w蛍光灯3~4本 |
二酸化炭素 | 多い |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 軟水~中硬水 |
水温 | 18~26℃ |
形態 | 有茎 |
栽培難易度 | 難しい |
この水草のディスカッション この水草のディスカッションにご利用ください。また、追加情報などがあればぜひお知らせください。