水草の育て方1 (水草の種類)
オオサンショウモは池沼、水田など流れのあまりない場所に生育する浮遊植物です。
大きな葉を縮ませているような外見が特徴です。
オオサンショウモは熱滞アメリカ原産の水生シダで、日本には1950年ごろ、熱帯魚とともに観賞用として、また庭園池泉の鑑賞用として、輸入されました。オオサンショウモの和名の語源は大型のサンショウモの意味で、漢字名は大山椒藻。
「サンショウモ」に比べ、成長すると大形になる浮遊性シダとして知られます。オオサンショウモは自然では水面に立ち上がるような葉状体となりますが、水槽では平坦になります。
胞子や枝分かれ、分裂によって増殖し、強い繁殖力で熱帯各地に帰化し、水田や河川の害草として知られます。
以前は水田でよくオオサンショウモが見られたのですが、近ごろでは減少傾向にあります。オオサンショウモの幼体の浮葉は長楕円形または卵型で扁平、前後は心形、成葉になると軍配状となり、内側にやや折りたたみ、波状に披曲します。
成長した茎は径約2mm、長さ5~8cm、まばらに分枝します。
葉は3輪生、水面に浮上する2葉は対生し、水中に垂れる1葉は水根となります。
浮葉は草質で軟弱、淡黄緑色。
長さ5~10mmの葉柄かあります。
オオサンショウモの葉身は長さ2~3cm、幅2~2.5cm、明瞭な中央脈があり、茎と同様に針状の毛を密生するコ淳葉の表面に生える毛は白色、長さ2~3mm、多細胞からなり、中央脈から左右に斜出した、平行脈の間に密に分布します。
毛の先端は茶筅状で、1列の細胞からなる4個の糸状となり、その上方は内側に曲がり球状なります。
オオサンショウモの浮葉の裏面は淡緑色、密毛でおおわれるので、水滴をよくはじきます。
水根は長さ1cmほどの柄かあり、その先は茶褐色で40~50個のひげ根となります。
ひげ根の長さ10~30cm、水中から養分を吸収します。オオサンショウモは日本に自生する在来種の「サンショウモ」と比べると、次の点で異なります。
オオサンショウモの株は「サンショウモ」に比べて大形で、茎の長さほ前者は5~15cm、後者は5~10cm浮葉の形はオオサンショウモは若いときは楕円形、よく成長するど軍配型で長さ2~3cm、幅2~3cmであるのに対し、「サンショウモ」は幼葉も成葉も長楕円形で長さ1~2cm、幅1.5cmです。
表皮の白色毛については、オオサンショウモの毛は柄かあり、その柄か4本内側に丸まるのに対し、「サンショウモ」の毛は柄かなく、基部から直線的に掌状にのばすので、表皮の毛を比べたたけでも識別できます。
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水草の育て方2 (水草の育成)
オオサンショウモは水面に浮かべるだけで簡単に生長します。
オオサンショウモの育成は簡単ですが、ある程度大きめの水槽や器が必要です。
オオサンショウモの適温は15~30℃。オオサンショウモは水草水槽で育成するには強光、液肥の投与が有効です。
水草水槽では光の関係で、在葉の「サンショウモ」とよく似た姿に壊小化し、卵円形で扁平となります。オオサンショウモは寒さに弱いので帰化状態になっていないですが熱帯魚の水草水槽や温室内の水槽ではそのままで越冬できます。
室内の明るい所では無加温(5~10℃)で越冬します。屋外では、「サンショウモ」と同様、浮葉性の1年草で、ふつう胞子で越冬します。オオサンショウモは増えると豆粒のような葉ばかりになり、容器からはみ出て広がるので間引くことが必要です。
水草の増やし方
オオサンショウモは胞子や枝分かれ、分裂によって増えます。
簡単な増やし方は茎の分枝を切り離すことです。
水面に浮かべておくとよく繁殖します。
オオサンショウモは9~10月ごろ、水根の基部に大小2形の胞子のう巣が1個房状にできますが、胞子による繁殖は「サンショウモ」と同様です。
水草水槽のレイアウト
オオサンショウモは日本では温室栽培され、観賞用にされています。レイアウトとしてはメダカや金魚が泳ぐスイレン鉢に浮かべたり、睡蓮・蓮と一緒にすると良いでしょう。
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水草図鑑データ
名称 | オオサンショウモ |
学名 | Salvinia molesta |
和名 | オオサンショウモ |
別名 | サルビニア・モレスタ |
科名 | サンシヨウモ科 |
原産 | 南米フラジル、アフリカ、クイーンスランド、西オーストラリア、ニューギニア、スリランカ、インド、マレーシア、シンガポール |
光量 | 普通 20W×2~4本 |
二酸化炭素 | 必要なし~少なめ |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 中硬水 |
水温 | 22~30℃ |
形態 | 浮草 |
栽培難易度 | 容易 |