ホワイト・ウィステリア

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水草の育て方1 (水草の種類)

水草:ホワイト・ウィステリアホワイト・ウィステリアは、「ウォーター・ウィステリア」の栽培異変種であるといわれ、形態や生育はすべて同じですが、特に茎上部の葉脈が白色化したものを、ホワイト・ウィステリアと呼んでいます。ホワイト・ウィステリアは、水中葉は深い切れ込みが複雑に入る、非常に装飾的な有茎の水草です。
ホワイト・ウィステリアは、葉の形状が独特ですが、学名Hygrophila difformisからも分かるように、ハイグロフィラの仲間です。
小種名”difformis”は「異形の」「不同形の」という意味であり、まさにこの独特な葉の形状を表しています。
また英語でウィステリア(wisteria)は植物のフジの事です。
「ウォーター・ウィステリア」(Water Wisteria)はミズフジという意味で、和名もそのままフイリミズフジとなっています。
ホワイト・ウィステリアの水上葉は、縁に細かい切れ込み(浅裂)のある卵形葉を対生させ、茎には短毛があります。
鮮やかな緑色で卵形、不規則な鋸歯縁(ギザギザがある葉)です。
葉は対生し、長さ5~6.5cm、幅3~4cmです。
葉の対生は、120度ずつずれてつくので、葉が密生して見えます。
茎、葉とも有毛水中葉は形が一定せず、鋸歯縁の卵形、浅裂、中裂、深裂葉などを条件に応じて様々な形状になります。
浅裂~深裂葉は鋸歯が消え、茎葉もほとんど無毛となり、最大で長さ約10cm、幅5cm位になります。
ホワイト・ウィステリアの水中葉は、菊の葉に似た切れ込みの深い(全裂)、ライトグリーンの葉を対生させ、水上葉よりはるかに大きいです。
草体が小さな時の葉は水上葉に似て卵型で、細かい切れ込みがあります。
十分に根付いたホワイト・ウィステリアは、水槽の高さいっぱいに伸び上り、そのまま水上葉になります。
茎は少し匍匐して、直立するか斜めに伸びます。
ホワイト・ウィステリアの花は水上の上部の葉の腋に単生し、まれに複数つくこともあります。
花冠は青または淡赤紫色で唇形、基部は筒状です。
葉の腋にテンプルプラントに似た唇形の花は、ハイグロフィラの仲間であることを示しています。ホワイト・ウィステリアは、「ウォーター・ウィステリア」より少ないですが、熱帯魚ショップでの流通もある程度あります。

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水草の育て方2 (水草の育成)

ホワイト・ウィステリアは水中で育成した深裂の葉では、斑が株の中心付近にしか現れないことがあり、一見斑が無いように見えます。
ホワイト・ウィステリアの白い斑は、照射する光が弱かったり、栄養分に過不足があると、完全に消失します。
斑が薄れてきたら、光を強く照射し、換水を行うなどして様子をみるとよいでしょう。
育成は二酸化炭素(Co2)の添加が有効です。ホワイト・ウィステリアは一般的な軟水の水槽でpH5.0~8.8、水温30℃まで、と非常に広い範囲の水質で育つ丈夫な水草です。
ホワイト・ウィステリアの育成は、二酸化炭素の添加や底床添加肥料を使用すると効果的です。
また、水槽内に多く窒素分がある水を好むので、このような水の中では容易に育つことがあります。
但し、弱アルカリ性では成長が悪く、枯死する場合もあります。ホワイト・ウィステリアはpHの影響を成長面に受けやいですが、弱酸性~中性では低光量でも十分に成長し、その葉形は最も美しいです。
硬度の上昇に伴うpHの上昇で弱アルカリ性となった場合には極めて成長が悪く、サンゴ砂を使ったpH8以上の水質では特に高光量が必要です。
高硬度の時の葉は水上葉に似た細かい切れ込みのある卯型で、節間が長く全体に硬くなります。ホワイト・ウィステリアは水中の二酸化炭素(Co2)を多く必要とする水草なので、魚の数が少ない水槽では二酸化炭素(Co2)の添加をすると良いでしょう。
ホワイト・ウィステリアは茎から水中根を多く出す場合がありますが、これらの多くは下方の茎が弱っているか、あるいは底床中の根が衰弱した時に起る現象です。
このような場合には、根の出ている茎の下から切断して、新たに植え直し、水中の二酸化炭素(Co2)量を増すようにすると、その後の成長が良くなります。栄養状態の悪い水槽では茎が細く、水面下を横に伸びながら成長することがあります。
根張りが良いため、底床肥料の添加は効果があります。

水草の増やし方

ホワイト・ウィステリアは茎頂が水面に達する直前に10cm程度下げるように下部を切り、底床へ差込めば容易に根付きます。
切られた親株からは無数の新芽が出るのが見られます。
これらの葉は、切れ込みの弱い卵型で、あたかも別の水草のように思えるほどです。有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。

水草水槽のレイアウト

ホワイト・ウィステリアは、ウォーター・ウィステリアの改良品種です。
葉の葉脈に治って白い筋状の斑が入り、大変美しいです。
葉に深く複雑な切れ込みが入る種類なので、さらここその美しさに磨きがかかった印象です。
下葉は白色が目立たない場合が多いですが、光をよく受ける頂葉部に美しい白班があらわれ緑色とのコントラストが鮮明となって見事です。ホワイト・ウィステリアは美しく、レイアウトには非常に有効な中景、後景用の水草の1種です。
ホワイト・ウィステリアは1本1本にボリュームがあるので、植える時は、間隔を少し開けて植えるとよいでしょう。ホワイト・ウィステリアはアクアリウムの前景レイアウト用としても使うことができます。
前景用としての使用は、水深が増すことによる光量低下の影響で成長が遅く、大変都合が良いです。
低光量下では、十分に光量が得られるまで横に伸び、その後は次第に水面に向って成長するようになります。
このような性質を上手に利用して、日本的な石組みを主体としたアクアリウムにレイアウトされている水槽をみかけます。
ヨーロッパ形式では特に左側後方から前面にかけて植え込み、高さを調節して流れるような感じのレイアウトが多く見られます。ホワイト・ウィステリアは、深い切れ込みが複雑に入る、非常に装飾的な葉は見栄えもよいので、水槽の主役としても十分、センタープランツの役割をしてくれます。
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水草図鑑データ

名称 ホワイト・ウィステリア
学名 Hygrophila difformis “variegated”
和名 フイリミズフジ
別名 斑入りミズフジ
ホワイト・ウォーター・ウィステリア
科名 キツネノゴマ科
原産 改良品種
光量 普通 20W×2~3本
二酸化炭素 必ず添加
水質 弱酸性~弱アルカリ性
硬度 中硬水
水温 22~28℃
形態 有茎水草
栽培難易度 容易

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