水草の育て方1 (水草の種類)
コキクモは池沼や水田などに生育する多年草で、沈水~抽水植物です。
日本の本州、関東、中国地方に稀に分布します。
環境省レッドデータブック. 絶滅危惧II類(VU) に指定されています。コキクモの茎は水中で多くの枝に分かれて横に這い、水中葉を形成し、やがて先端部5~10cmが立ち上がって水上葉を形成します。コキクモの水上葉は卵形または皮針形で6~10枚が輪生し、長さ7~30mm、茎の上部に至るにつれて深裂から鋸歯状へと変化します。
水上では茎に腺点と腺毛があります。コキクモの水中葉は、4~12輪生してつき、羽状全裂、無毛で、長さ1.5~4cm、きわめて繊細です。
茎は長さ10~70cm、円柱状で、密に軟毛を有し、径2mm。コキクモの花は8月後半から咲き始め、11月頃まで次々と茎の頂端付近につきます。
花は白色または淡紫色で、長さ7~11mm、水上葉の腋に1個つきます。
上唇は広円形でほとんど全縁、下唇は深く3裂し、裂片は卵円形です。
花は曇天時に閉じ、日光が当たると開きます。
花に0.5~1cmの柄があります。コキクモの葉腋につく果実は長さ2~6mmの柄があります。
果実はさく果で、広楕円形、長さ3~3.5mm、幅3mm、ほぼ同長のがくに包まれます。コキクモは「キクモ」とよく似ていますが、コキクモは水上生育の茎や等に毛がなく、花柄があるなどの点で区別できます。
「キクモ」は有毛、無柄です。コキクモは、稲作が中国南部と朝鮮半島の2ルートから伝わり、南側から「キクモ」、北側からコキクモが伝播したのではないかという説があります。
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水草の育て方2 (水草の育成)
コキクモは「キクモ」と異なり節間も間延や分枝が少なく、浮必要に根を出さず、羽状亀裂も少ないのが特徴です。
コキクモは二酸化炭素(Co2)が過多でも節間は間伸びしません。
水草の増やし方
コキクモは底床上を横走するランナーの先端に子株をつくり増殖します。有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。
水草水槽のレイアウト
コキクモは一般にはアクアリウムの中景から後景にレイアウトされますが、頂葉から3~4cmで切り落とし、レイアウトの前景としても使えます。
数本をまとめて植えることで、その眼の醒めるようなライトグリーンが極立って人の眼を引きつける魅力があります。
コキクモは生長が早くとても丈夫な水草ですが、水槽内で長期維持するためにはこまめなトリミングが必要となります。
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水草図鑑データ
名称 | コキクモ |
学名 | Limnophila indica (L.) Druce subsp. trichophylla |
和名 | コキクモ、タイワンキクモ、エナガキクモ |
別名 | |
科名 | ゴマノハグサ科 |
原産 | 日本、台湾、中国大陸、東南アジア、オーストラリア、アフリカ |
光量 | 普通 20W×2~4本 |
二酸化炭素 | なるべく添加 |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 軟水~中硬水 |
水温 | 20~28℃ |
形態 | 有茎水草 |
栽培難易度 | 普通 |
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