水草の育て方1 (水草の種類)
リスノシッポは池沼や河川などに生育する沈水~湿生で多年草の抽水植物で浅水中や湿地に生育する植物です。
普通沈水状態で生育しますが、水位が低くなると抽水~湿生形に変化します。リスノシッポはその名の通り「リスの尻尾」のような、とても美しい容姿を見せてくれる有茎水草です。
非常に美しい色彩と繊細な形、ユニークな名前で人気があります。水上葉は茶緑色で小さく、長さ3mm、幅1.5~2.0mmほどの楕円形で、3~6個輪生しています。
草丈は5~10センチと大きくならず、這うように生育し地表を覆います。水中葉はマヤカによく似た葉を3~12輪生し、線形で、長さ12mm、幅1mmほどの糸状葉で先端がとがらず、紅茶色または茶緑色に変わります。
細い茎で茎下部の葉は緑色をしていますが、茎の上方に向けて赤紫がかった紅色を深めていきます。
水中葉は、水上葉に比して細く長くしなやかで、先端はV字型からU字型の切れ込みがあり、茎頂葉は茶色がかった赤色になります。花は8~9月頃、頂上に赤紫色の小さな花を付けます熱帯魚ショップではよく太陽光下で育成された水中葉が市販されていますが、そのまま容姿を維持するのは少々難しいです。
購入にあたっては水中葉を選ぶとよいでしょう。
確かに、リスノシッポを長期的に美しく育てるのは高度の育成技術が要求される水草の1種ですが、二酸化炭素酸化炭素(Co2)添加器具の普及によって昔よりは容易に育成が可能になり、最近の熱帯魚ショップでは初心者向けとして販売されていることもあります。
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水草の育て方2 (水草の育成)
リスノシッポの適応範囲はpH4.5~7.0、軟水で水温17~30℃で、ロタラの仲間で育成が難しい水草の1種と言われています。
市販型は水中葉ですが、人手後、水槽に植えてから4~5節伸びて生長が止まってしまうことが多いです。リスノシッポは、水質を弱酸性に保ち、硬度を出来る限り下げて、定期的な水替えと二酸化炭素(Co2)の添加を行なうと良く育ちます。
硬度の高い弱アルカリ性水槽では殆ど育つことはなく、使用水道水の硬度が高い場合も同育ちにくいです。
水中に溶け込んでいる二酸化炭素を多く必要とする有茎の水草の1つです。
育成には二酸化炭素の添加が不可欠であり、底床添加肥料を使い、底床内に栄養分が豊富だと、より育ちがよくなります。リスノシッポ育成の難しさは、適応範囲の狭いことと、葉が細かい為、藻類が葉に付着しやすいところにあります。
軟水、弱酸性の水質がよく合いますが、肥料過多、過剰な光量、水替え頻度の減少、二酸化炭素(Co2)溶存量の減少などの様々な要因で藻類が葉に付着し、アクアリウム水槽の美観を損ねる場合が多いです。購入したリスノシッポを水槽に植えても、茎頂の成長がみられず脇芽を吹く場合がありますが、これは草体が衰弱しているためです。
このような場合は脇芽が十分成長したところで脇芽をトリミングして差し戻します。成長の速度は光量によって違ってきますが、藻類の発生を極力妨げるためには、低光量が良く、植物育成用蛍光管を使用すると最も良い結果を得ることができます。
育成条件の違いが水中葉の色の違いとなって現れるので、貧栄養状態で植物育成用蛍光管を使用すると、燃えるような赤色になり、とても美しくなります。
節間が短く赤味を増して美しく育ちますが、成長がゆるやかになりますので、肥料と光量のバランスが大切です。適度に少な目の液体肥料を与えて、二酸化炭素(Co2)と光量を多めにし、バクテリアのよく働いている水槽でこまめなトリミングを繰り返すことが、美しく育成するためのポイントです。
肥料が極度に不足したり、暗い場所ではせっかくの美しい赤系の葉が緑色になることがあります。
水草の増やし方
リスノシッポは調子が良いと生長は速く、脇芽を出して増えたり、時にはランナーによって繁殖することもあります。有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。
水草水槽のレイアウト
美しく育ったリスノシッポは、水草ファンにとっては垂涎の水草と言っても過言ではありません。
リスノシッポは、アクアリウム水槽ではまとめ植えで中景から後景にレイアウトします。
水槽の下部から上部へ行くに従ってピンクに色づくグラデーションは非常に美しく、多少育成が難しくても育てる価値ある水草です。
小柄のリスノシッポは、数株以上のまとめ植えによって独得の効果をアクアリウムに生み出せます。
リスノシッポの水中葉が群生して水流に揺れ動く水槽は極めて資質の高い技術の裏付けを意味するものとなります。
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水草図鑑データ
名称 | リスノシッポ |
学名 | Rotala wallichii |
和名 | リスノシッポ(リスの尻尾) |
別名 | ロタラ・ワリッキー ロータラ・ワリッキー ロタラ・ワリキー スクイレルテール |
科名 | ミソハギ科 |
原産 | 東南アジア |
光量 | 強い 20w蛍光灯×3~4本 |
二酸化炭素 | 多い |
水質 | 酸性~弱酸性 pH4.5~7.0 |
硬度 | 軟水~中硬水 |
水温 | 17~30℃ |
形態 | 有茎 |
栽培難易度 | 難しい |
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