水草の育て方1 (水草の種類)
ミズヒナゲシは浮葉性で池沼や河川などに生育するツルのある多年草です。ミズヒナゲシは泥中に白色のひげ根を多数生じ、浅水中では抽水性の群落をつくるのですが、探水中では、長い葉柄の先に浮葉ができ水面をおおいます。ミズヒナゲシの茎は円柱状で、径約5mm、つる性で水中を横走、節から根と葉鞘のある多数の葉を出し、順次新しい株をつくります。ミズヒナゲシの葉には長い葉柄があり、円形に近い楕円形で葉面は平滑で艶があり革質、全縁、無毛。
葉の中央部に海綿状の通気組織があり、厚みがあり浮力を得ています。
円筒基部は浅心形です。
葉身は長径4~8cm、短径3~6cm、表面は濃緑色平滑で光沢かあり、不明瞭な7個の葉脈があります。
裏面は淡緑色で葉脈は明瞭、長径の中軸にそって、幅3~8mm高さ約3mm、半球状に膨大した海綿質の通気組織が発達します。
水中でのびつつある葉身は内側に丸まって棒状となり、水面に出ると水平に開きます。ミズヒナゲシの葉柄は円柱状で、径2~3mm、長さは水深によって異なりますがふつう10~30cm葉柄内部は数mm間隔に多数の薄い隔壁があります。
また周辺部に乳管があり、葉柄を切断すると白色の乳液が出ます。
葉柄の長さは水位の増加に応じて短時間に急速にのび、先端に広卵形または広楕円状心臓形の葉身を水面に浮上させます。ミズヒナゲシの花期は7~10月。
水中茎の節から数個の花が順次開きますが、花は葉腋より径約3mm、長さ7~10cmほどの花柄を水面にのはし、その先端に花径4~5cmの鮮かな黄色の1日花を1個開きます。
萼片3、長楕円形、長さ約2cm、幅約1cm、花弁3、扇形、長さ約3.5cm、幅約4.5cm、表面の上方は淡黄色、基部は濃黄色、裏面はやや黄白色です。
雄しべ多数、花糸の良さ約10mm、幅約1mm、周辺部の雄しべは紫色で糸状、葯がありません。
雌しべは5~6、子房上位。
花柱の長さ約10cm、幅約2mm、白色ですが柱頭は紫色です。結実が不良なので、果実や種子の観察は困難です。ミズヒナゲシの和名の語源は花の外形かヒナゲシの花に似て水生であることに由来します。
漢字名は水雛芥子、水雛罌粟。ミズヒナゲシの類似種の水草「キバナオモダカ」は温室内の水槽で栽培できる観賞用水草です。
西インド諸島、ペルー、ブラジル中部に分布します。
草高30~60cm、花径約2.5cm、疲黄色の花は7~8月ころ散形状に開きます。「ハナイ」はハナイ科で単子葉の湿生植物ですが、日本には自生しません。
観賞用として屋外で栽培されます。
葉は線形、草高約60cm、花径約2cm、花は淡紅色、5~6月ころ散形状に開きます。
ヨーロッパからアジアに分布、葉は籠や敷物の材料に利用できますが、日本で見かけることは少ないです。ミズヒナゲシは熱帯魚ショップでもガーデニングショップでも販売されています。
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水草の育て方2 (水草の育成)
ミズヒナゲシは1830年ごろイギリスに渡り、明治初年日本に入りましました。
観賞用として温室内の水槽や暖地の池沼で夏季に栽培されていますが、まだ帰化状態ではありません。日本では温室栽培、夏季は屋外でも生育開花します。
光のよく当たる場所なら、室内でも栽培でき、花を楽しむことができます。耐寒性はありません。
低温には弱く、冬季は5℃以上を保つ必要があり、日本の冬期の外気温には耐えられないので、明るい室内で加温して越冬させる必要があります。ミズヒナゲシは生育が早いため、美しい花を咲かせる状態を保っためには1シーズンに2回は植え替えをしたほうが良いようです。
水草の増やし方
ミズヒナゲシは日本でも開花しますが結実が悪いため種子はあまり作らず、主にツルで栄養体生殖によって殖えます。
蕾が付いたツルは発根しているので親株から切りはずして植え直すと、増やすことができます。
水草水槽のレイアウト
ミズヒナゲシはビオトープやアクアテラリウムに向いています。
ミズヒナゲシは水面を這うように茎を伸ばして増えますので、合わせたい水鉢はスイレン鉢など、浅めの口の広い水鉢が向いています。
深さはあまりなくてもいいです。
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水草図鑑データ
名称 | ミズヒナゲシ |
学名 | Hydrocleys nymphoides Buchen. |
和名 | ミズヒナゲシ(水雛芥子、水雛罌粟)、ミズウチワ、キバナトチカガミ |
別名 | ヒドロクレイス・ニムフォイデス、ウォーターポピー |
科名 | オモダカ科 |
原産 | 中南米(ベネズエラ~アルゼンチン) |
光量 | 普通 20W×2~4本 |
二酸化炭素 | なるべく添加 |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 軟水~中硬水 |
水温 | 20~28℃ |
形態 | 浮草 |
栽培難易度 | 普通 |
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