水草の育て方1 (水草の種類)
コウホネは日本に自生する水草で、日本の湖沼や池などにも観賞用として植えられているスイレン科の美しい水草です。
和名の「コウホネ」は、川骨または河骨の意味です。
ワサビ状の根で地下茎が白くその所々に葉の跡が点々とある水草ですが、根茎が人の背骨に似ていて、それを川の骨に例えたところからきています。
川などに生え、水中にある根茎が白くゴツゴツして骨のように見えるので河骨(かわほね)と書かれるようになったとする説もあります。
また、読みは「かわほね」から「こうほね」に変化しました。
学名も[Nuphar japonicum]となっていて[japonicum]は[日本原産の]という意味で日本の水草であることが伺えます。コウホネは柔らかいライトグリーンの葉が美しく、アクアリウムでも丈夫で育てやすい水草です。
水位の条件によって水上葉の外に浮葉や水中葉も作ります。
水中葉は楕円形の薄い膜質で細長く、長さ10~30cm、幅5~20cm、葉縁にシワがあり、波打っています。
コウホネの水上葉は厚味があって水面上に突出しています。
長さ20~30cmの円柱形の葉柄の先につき、長楕円形でハート型の葉は空気中では硬く艶のある濃緑色をしています。
表は無毛、平滑、光沢のある濃緑色ですが、裏面は淡黄緑色で、中力脈に沿って短毛があります。コウホネの名前にもなっている地下茎は通常白色で太く土中を這い、葉が根茎の先端からでています。
ワサビのような太くて長い根茎で、そこから白く細い根を底床に伸ばします。
ビオトープなど園芸品種がほとんどですが、水草水槽のアクアリウムでもレイアウトできます。
塊茎の芽から出た葉をアクアリウム水槽に移植して、美しい水中葉を楽しむことができます。コウホネは夏になるときれいな花を咲かせます。
コウホネの花の色は基本的に黄色をしていますが、他にも紅色、赤紫など数種類あります。
6~10月頃、葉腋から円柱形の花柄を水上に伸ばして、径4~5cmの椀形の花を咲かせます。コウホネはスイレン科コウホネ属の水草で、沼池・ため池・河川などに生育する多年生の抽水植物です。
スイレン科には8属100種がありますが、この仲間の水草は世界のいたる所に見られます。
すべてが池沼の水中に生える水生植物で、コウホネ属(Nuphar)は古くから庭園の池に植えられたり、西洋でもポンド(西洋庭園の池)に用いられています。
日本にはコウホネ、ヒメコウホネ、オグラコウホネ、ネムロコウホネ、オゼコウホネ、ナガバコウホネ、ベニコウホネなどがあります。
外国産のコウホネにはアメリカコウホネ、ヌパールアドベナ、ヌパールルチウムやタイワンコウホネなどが知られていて、北半球に広く分布しています。
欧米では、コウホネの仲間はイエローリリー(Yellow Lily)、カウリリー(Cow Lily)、スパタードック(Spatter Dock)などと呼んで屋外でも栽培しています。コウホネは浮葉植物の仲間の水草の代表種ともいわれるほどポピュラーな水草です。
浮葉植物の仲間の水草は水底に根を張るものの、茎葉の一部や花を水面に浮かせます。
芽が出たばかりの小さな時期は水中に沈水葉をつけ、茎が伸びて水面に達すると水面に浮葉をつけます。
水中と水面では葉形が大きく異なるのが特徴です。コウホネの根茎は「川骨(せんこつ)」の名で漢方薬としてよく用いられ、二つ割りにして干して、止血剤や浄血剤、強壮剤として使われることもあります。
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水草の育て方2 (水草の育成)
コウホネはとても文夫な水草ですが、根茎だけで販売されていることが多いため、育成方法が分からず枯死させてしまう場合もあるようです。
熱帯魚店では幼い葉が3~4枚付いている根塊市販されていることもあります。
コウホネの根茎を植えるときは、頂部が砂利から3~4cm出るようにします。
非常に浮力がありますので水槽の底床を厚くして深く植えないと、その浮力のため、浮いてしまいやすいです。まず光が強く当たる場所を選び、根茎頂部が砂の上に3~4cm出るように植え込みます、
ここで浮いてしまうからといって根茎を全て底床に植えると枯死しやすくなるので要注意です。
底床に植えるときには根茎をあまり深く埋めず、倒れない程度に浅く植えるのがコツです。
浅く植えると安定はしませんがすぐに白く細い根がたくさん伸びて支えるようになります。コウホネは根が底床によく張るタイプの水草なので、底床に栄養分が豊富にあるとよく育ちます。
植え込むときに同時に底床添加肥料を与えると良いでしょう。
(園芸の用土には養分を含んだ泥土が好ましいとされています。)
根塊中に栄養分を持ち、光量があれば肥料分がなくても水中葉を出しますが根塊を消費し尽くしてしまうと矮小化して、やがて消滅してしまいます。
そのため底床にコンスタントに追肥を行うことが美しさを保つコツです。
水槽をセットする時に底床添加肥料を使っていなければスティックタイプの底床添加肥料を根元付近に添加するとよく育ちます。
また二酸化炭素の添加も高い育成効果があります。
明るい照明と二酸化炭素の添加で根付くのが早くなり、新しい葉も早く伸びてきます。葉が3cmほどになれば順調に伸びます。
太陽光が入る明るい、水深が深い水槽では浮葉が出ることがあります。
光線を弱めにすると気中葉が生じにくくなります。
水流が強い水槽では水中葉だけになります。コウホネの仲間の水草は北方系のスイレンであるため、、低水温を好むので水槽の水温には注意が必要です。
根茎は熱帯魚が泳ぐ25℃以上の高い水温の水草水槽にレイアウトすると、わずかな傷口からでも腐敗しやすい特徴があります。
根茎を腐らせないようにするらはまず根茎をよく点検し、腐敗しかかっている箇所があればよく切れるカッターで綺麗に切り落としましょう。
こうすることである程度は根茎の腐敗をとめることができます。
さらに秘策として塊茎の切り口に灰や炭粉をこすり付けておくと、腐敗を防げます。戸外では根茎で越冬します。
水草の増やし方
コウホネの埴やし方は根茎の株分けで増やすことができます。
水草水槽のレイアウト
コウホネは大型化する水草で葉が上に伸びるので、水草水槽にレイアウトする場合は水深45cm以上の大型水槽があればさらに本来の美しさを鑑賞できます。
コウホネはいろいろな水草水槽レイアウトに使えます。
日本原産の水草ですから、和風レイアウトの水草水槽も面白いでしょう。
コウホネと一緒に「タイニムファ」などのスイレンも日本的なレイアウトによく合います。
水草を密生させるよりも流木や石を多用して、活着させたウィローモスやミクロソリウムなどでアクセントをつけると盆栽風のレイアウトも楽しめます。
その場合の魚はできれば日本産の淡水魚、中でもタナゴの仲間がきれいでしょう。
これらは熱帯魚ではないので水温も低めに維持できます。
戸外の日照下では光沢のある気中葉を広げ、初夏~夏に主に黄色い花をつけます。
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水草図鑑データ
名称 | コウホネ |
学名 | Nuphar japonicum |
和名 | コウホネ カワホネ カワバス センコツ コウホウネ |
別名 | スパタードック カウリリー(Cow Lily) イエローリリー(Yellow Lily) |
英名 | Japanese Spatterdock |
科名 | スイレン科 |
原産 | 日本、朝鮮半島、台湾、サハリン |
光量 | 普通~強い(強くする場合は60cm水槽で照明20w蛍光灯3~4本が目安です。) |
二酸化炭素 | 少なめ~必要なし |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 中硬水 |
水温 | 15~28℃ |
形態 | 根茎性 ロゼット |
栽培難易度 | 比較的容易 |
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