水草の育て方1 (水草の種類)
クリプトコリネ・キリアータは河川の下流域に生育する沈水~湿生植物です。
熱帯の東南アジアにおいて、クリプトコリネ属の中で最も広い分布域を持つ水草です。
塩分のある汽水域の粘土質の地域から、約50Kmほど内陸の淡水域にまで自生しています。
いずれの地域においてもよく日射を受ける場所の水辺に成育しています。
また、クリプトコリネの仲間の中では最も陸上部に多く生える種類の水草でもあります。
クリプトコリネ・キリアータは汽水域に分布しているので塩分濃度に対して大変強く丈夫で育てやすい水草としても知られています。クリプトコリネ・キリアータはの2種類が報告されています。
「クリプトコリネ・キリアータ・バー・キリアータ (Cryptocoryne ciliata var. ciliata)」という、基本種と、「クリプトコリネ・キリアータ・バー・ラティフォリア (Cryptocoryne ciliata var. latiforia)」という変種です。クリプトコリネ・キリアータ・バー・キリアータは、
大型で葉柄が長く、葉長に比較して葉幅が狭い水草です。
草長は50~120cmにもなります。クリプトコリネ・キリアータ・バー・ラティフォリアは
水中育成が容易で、生長しても草丈30cm以下です。
葉柄が短く、葉の幅が広い水草です。水槽育成したクリプトコリネ・キリアータの草丈は10~40cm程度でしょう。クリプトコリネ・キリアータは葉柄が緑色で厚みがあり、葉は革質で厚肉、葉面は平滑です。
先端が尖るライトグリーンの葉は、卵型から長卵型で、長ハート型になることもあります。
葉の長さは10~30cm、幅5~10cmあります。
葉身は長いヤリ状披針形で、鋭頭です。
基部は通常浅心形または円脚かクサビ形全縁です。クリプトコリネ・キリアータの花は小さな肉穂花序で20~30cmの高さ苞によって包まれています。
苞の下部は筒状で炎緑色をしています。
上部は仏炎包状に開いています。
開裂した仏炎苞は披針形で15~25cm以上の長さがあり、中央は鮮明な黄土色に細かい褐色斑が入って、内側全体は赤紫色をしています。
苞の縁には柔らかい火炎状の突起物が並び、華やかな印象があります。現在クリプトコリネ・キリアータの名で輸入されている水草の多くは基本種のクリプトコリネ・キリアータ・バー・キリアータのほうです。
ときおり、シンガポールの栽培のクリプトコリネ・キリアータ・バー・ラティフォリアが輸入されることがあります。
クリプトコリネ・キリアータをアマゾンで探す
クリプトコリネ・キリアータを楽天市場で探す
水草の育て方2 (水草の育成)
クリプトコリネ・キリアータは自生地も幅広く、完全な淡水域から汽水域まで、多様な環境に適応している水草です。
そのため塩分濃度に対して大変強く、弱アルカリ性の中硬水でも栽培できる丈夫で育てやすい水草です。
育成は比較的容易で、特に二酸化炭素(Co2)と肥料がなくても育てることができます。水槽では、植物がその環境に慣れて生育がよくなるまでに時間がかかります。
水草水槽へ導入した当初は葉が小型化しやすいです。
どちらかといえばクリプトコリネ・キリアータ・バー・ラティフォリアのほうが比較的水中育成が容易でしょう。クリプトコリネ・キリアータは鉢植えの水上栽培も容易です。
水草の増やし方
クリプトコリネ・キリアータの増やし方はランナーによる株分けと種子による方法があります。ランナーによる増やし方は容易で、簡単に繁殖します。底砂に肥料を多く施すと成長が良く、多くランナーを出して小株を形成します。
種子による増やし方は、花が咲いた後、基部に球状で縦溝のある果実が肥大し、成熟して外皮が開裂して多数の種子ができます。
種子には幾本ものそり返ったタコ足状の突起があり、その中心から発芽します。
水草水槽のレイアウト
クリプトコリネ・キリアータは水中育成が容易で、小型水槽では一本植えで前景としてレイアウトし、大型水槽ではまとめ植え用としてレイアウトすると良いでしょう。
クリプトコリネ・キリアータは汽水水槽にも利用できる、めずらしいクリプトコリネです。
クリプトコリネ・キリアータは、水中で多くの葉を付けない場合があるのである程度多くの株をレイアウトすると見栄が良いでしょう。
クリプトコリネ・キリアータをアマゾンで探す
クリプトコリネ・キリアータを楽天市場で探す
水草図鑑データ
名称 | クリプトコリネ・キリアータ クリプトコリネ・キリアータ・バー・キリアータ クリプトコリネ・キリアータ・バー・ラティフォリア |
学名 | Cryptocoryne ciliata Cryptocoryne ciliata var. ciliata Cryptocoryne ciliata var. latiforia |
和名 | |
別名 | |
科名 | サトイモ科 |
原産 | 東南アジア大陸臨海域、東インド、ベンガル、タイ、マレーシア、インドネシア、セレベス、ニューギニア、スラウェシ、スマトラ、セレベス、モーリシャス島 |
光量 | 普通 (20w蛍光灯×2~3本) |
二酸化炭素 | 必要なし~少なめ |
水質 | 弱アルカリ性 |
硬度 | 中硬水 |
水温 | 22~28℃ |
形態 | 根生植物 ロゼット |
栽培難易度 | 容易 |
この水草のディスカッション この水草のディスカッションにご利用ください。また、追加情報などがあればぜひお知らせください。