水草の育て方1 (水草の種類)
ミクロソリウム・ウェンディーローブは「ミクロソリウム・プテロプス」を原種としてデンマークのトロピカ社が突然変異種を固定した品種の水草です。
この水草は1993年、シンガポールで開催の「アクアラマ」に初めて展示されました。
この名前は、作出者であり、トロピカ社の社長でもあるウィンドローブ氏の名前に由来しています。
(#フェラーリで言うとエンツォみたいなものでしょうか。。。)ミクロソリウム・ウェンディーローブの特長は各葉先が伸びて2股3股の小葉となり、さらに先端が掌状となって、葉先が幾重にも分岐する独特の感じの美しさがある点でしょう。
葉の先端が細かく分裂する形は園芸品種ではシシバ(獅子葉)といいます。水上葉は堅くあまり分岐していませんが、水中葉になると柔らかくさらに先端が枝分かれしていきます。岩や流本に活着させてレイアウトするのが一般的で、見た目も自然に感じられます。
育て方に関しては原種「ミクロソリウム・プテロプス」同様に比較的容易です。
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水草の育て方2 (水草の育成)
ミクロソリウム・ウェンディーローブの育成方法は原種のミクロソリウムと同じです。ミクロソリウム・ウェンディーローブは底床に植え込んでも、流木や岩に活着させても育成できる水草です。
根茎を用上の上に置くか、流木や石につかまらせるようにします。
光、水温などに幅広く適応し丈夫であるが水中育成に中性~弱酸性の水が適していてやや古い水質を維持するとよく育ちます。
ミクロソリウム・ウェンディーローブは水質の急変を嫌い、長期間にわたって水替えを行なわなかった水槽の水を急に替えると、親株が衰弱してしまいます。
その後世代交代の為、葉の裏面から新しい芽を数多く出すようになります。
弱アルカリ性、弱硬水中では葉が濃い緑色になり、成長は遅くなります。低光量下では、光を多く受けようとして、光に対して直角に葉を次々と伸ばし、葉の密生した群落を形成します。
数多くの葉を形成した時には、光に対して平行(垂直上向き)に葉を伸ばします。
弱酸性の水質を一定に保つのが育成のポイントである。活着する性質を持つところから、砂に植えない方が良いとも言われますが、弱酸性~中性で水質を一定に保つことにより、砂に植えても活着させた場合と同様に成長します。ミクロソリウムは水性シダ病が有名です。
これは葉の病気で、水性シダ病の原因は幾つかあります。
ミクロソリウム・ウェンディーローブは高水温には弱いく、育成水温の上限は30℃程度で、高水温が長期間続くと、葉が半透明の褐色になって枯れます。
pHが4程度まで低下した時や、水流が悪く二酸化炭素(Co2)の供給が行なわれにくかった場合も同様の枯れ方をする場合があります。
ミクロソリウム・ウェンディーローブが水性シダ病にかかると、全滅に近い枯死をする場合があります。
1カ所が茶色く枯れ始めると、葉同士が触れ合ったところから感染し、次々と枯死が始まって、殆どの葉が枯れてしまいます。
このような症状が現れた場合には、すみやかに、思い切って病葉をすべて取り去りましょう。
少しでも残すと再び伝染するので、見落しのないよう注意して取り除きます。ミクロソリウム・ウェンディーローブは生長途中の葉の先端から3分の1は半透明で、成長が完了すると通常の葉の色になります。
ミクロソリウム・ウェンディーローブの病気と間違われますが、半透明の状態は正常なので心配ありませんアヌビアスの仲間と同様に成長が遅く藻類が付着しやすいので、光を弱くするか、水換えをすると良いでしょう。
弱った時には二酸化炭素(Co2)を添加して、強い光量を与えると、3~4日で生き生きしたグリーンの葉に回復します。
水草の増やし方
ミクロソリウム・ウェンディーローブは丈夫で増やし方の容易な水草です。
親株を傷め付けると無数の小さな芽を葉裏から出します。
葉の裏の胞子から発芽して子株を形成します。
親株の葉を切り取り、水面に浮かせておくだけで、葉片の裏側から多く発芽します。
大きめの葉をハサミで1cm角程度に切り、弱酸性の水槽に入れて子株を出すという方法もあります。
根茎を小さく切り分けても株が増やせます。子株が3 cm~5cmの長さになった後、剥がし取り、砂に植えると良いでしょう。
葉の先や裏側から胎生した株は、時に矮小化した異変個体を生じる場合があります。
水草水槽のレイアウト
ミクロソリウム・ウェンディーローブは若干光量が少ない水槽でも育成できるので他の水草の陰になってしまうような場所でも独特の葉の形状の繊細な葉をあしらったレイアウトを楽しむことができます。原種のミクロソリウムと違い、二酸化炭素(Co2)を添加してもあまり巨大化しないので、中景などにレイアウトしやすい水草です。
レイアウトのポイント的に使用すると効果的です。ミクロソリウムは滝の飛沫のかかる場所や湿度の高い河川沿いの岩上に着生する水草で、その美しい姿は容易に想像できます。
ミクロソリウム・ウェンディーローブは、活着する性質があり、流木などに釣り糸で固定し着生させることができます。
流木などに、活着させるには、割れ目などに茎を挟んだり、糸で巻きつけたりすればよいです。
水は質にもよりますがだいたい3~4週間で活着するでしょう。
この性質を利用して流木等に活着させ、底面から水面近くまで繁殖させた姿は、ミクロソリウム・ウェンディーローブの美しさを余すところなく味わうことができるレイアウトです。
ミクロソリウムを前景に用いたレイアウトでは幽玄な雰囲気を演出できます。
岩石や流本を用いて本種だけで日本式レイアウトのアクアリウム水槽を作る場合にもよく使われます。
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水草図鑑データ
名称 | ミクロソリウム・ウェンディーローブ |
学名 | Microsorium pteropus “windorove” |
和名 | |
別名 | ミクロソリウム・ウィンドロブ ミクロソリウム・ウィンドローブ ミクロソリウム・ウインデロブ ミクロソリウム・ウィンディローブ ミクロソリウム・ウェンディーローブ |
科名 | ウラボシ科 |
原産 | 改良品種 |
光量 | 普通 (20W蛍光灯×1~2灯) |
二酸化炭素 | 必要なし~少なめ |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 中硬水 |
水温 | 20~28℃ |
形態 | シダ植物 |
栽培難易度 | 容易 |
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