水草の育て方1 (水草の種類)
ジャイアント・バリスネリアは湖沼、河川などに生育する多年生の沈水植物です。
育て方の容易な水草で、大型の形状で価格が安価のため入門用の水草となっています。
ジャイアント・バリスネリアはその名の通り、バリスネリアの中でももっとも大型の種類の水草です。
東南アジアに広く分布し、オーストラリアの北部の一部にも自生しています。ジャイアント・バリスネリアの葉は線形でテープ状、長さ50~150cm、幅12~24mmほどです。
底床内の栄養分が豊富で、照明が強い水槽では、葉の長さは1mをはるかに超え、2m近くにもなることがあります。
やや多肉質で長いダークグリーンの葉をロゼット状に上方に伸ばします。
葉縁には鋸歯があり、先端はゆるく尖っています。ジャイアント・バリスネリアは雄株と雌株に別れていて(雌雄異株)、根元に長楕円型の白い花をつけるのが雄株、長い螺旋状の細長い蔓の花柄を水面まで伸ばすのが雌株です。
熱帯魚ショップなどで市販される水草の中にも花を付けたものを見かけることがあります。ジャイアント・バリスネリアの特徴は、テープ状の葉の両縁に鋸歯を付けていることで、外見のよく似たサジタリア属と区別できます。
ジャイアント・バリスネリアと同種に「タイガーバリスネリア」があります。
「タイガーバリスネリア」は性質、形状ともジャイアント・バリスネリアに酷似していますが、「タイガーバリスネリア」の葉体は赤味をおび、所々に黒い班が入るのが特徴です。
ジャイアント・バリスネリアは地域により、草姿や草色に多少の差異があり、変種として「バリスネリア・ルブラ」が東南アジアに自生していることが知られています。
「バリスネリア・ルブラ(Vallisneria rubura)」は葉の上部が美しい赤茶色になることで区別できます。
また「バリスネリア・ルブラ(Vallisneria rubura)」として、もう1種の葉のやや細い鋭頭のものが輸入されることがありますが、「Vallisneria gigantea var.rubra」とは別の「バリスネリア・スピラリス」の変種と考えられます。
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水草の育て方2 (水草の育成)
ジャイアント・バリスネリアは日本の水質では非常によく育ち、底砂の汚れにも強く、汚染された水にも強い水草です。
太陽光下では、ダークグリーンの幅1.5~2cmで長いテープ状の葉をロゼット状に付け、水槽中では幅1~2cm、長さ150cmを超えるテープ状の葉になります。
光量は多少強い方が良いが良く、低光量でも葉が水面に浮きとぐろを巻く状態になれば育ちます。
60cmの標準水槽なら、最初から低光量でも良く、2~3株を植えただけでも、水面が長いテープ状葉体に覆われてしまうほどになります。
ジャイアント・バリスネリアは一般的軟水ではpH4.5~7.7、水温10~30℃で育てることができます。
サンゴ砂などを混ぜた弱アルカリ性水槽でも良く育てることができます。
しかし、pH7.5を超える頃から急に成長が悪くなり始めます。
ジャイアント・バリスネリアは弱アルカリ性を好む水草であると考えられる場合がありますが、これは誤りです。
水草の増やし方
ジャイアント・バリスネリアは文夫で育てやすく、増やし方は簡単です。
植えて1~2ヶ月を経過する頃には葉腋部から底床上を横走するランナーを出して次々に子株をつくって繁殖します。
水草水槽のレイアウト
ジャイアント・バリスネリアとても丈夫な水草で、ランナーを伸ばして繁茂するので後景にレイアウトすると迫力のある水景を作ることができます。
ジャイアント・バリスネリアの持つ深いダークグリーンと形状は赤色の水草を引立たせるに良い素材と言え、名脇役としての使命に十分耐え得る水草です。ジャイアント・バリスネリアは葉の長さは最大で150cmにも達するため60cm水槽の水深ではすぐに水面まで育つようになります。
よく水槽に植えられて利用頻度の高い水草ですが、葉長が長くなり過ぎる場合があるので、小型水槽にはジャイアント・バリスネリアよりも「バリスネリア・スピラリス」の方が良いです。水草が水面を覆うことにより魚を落ち着かせる効果があり、ジャイアント・バリスネリアは特に繊細なアロワナなどの飼育には最適な水草です。通常のレイアウトでは葉長が1m以上にも達し、水面はその厚く幅の広い葉の集団によって光を遮られ、その下は光量が不足して、明るいことを好む水草が育成できなくなる場合があります。水深が60cm以上の水槽では大型水草の醍醐味が存分に楽しめるでしょう。
水槽内の濾過器具などを隠すためにレイアウトされる場合も多く、脇役的にも利用されています。
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水草図鑑データ
名称 | ジャイアント・バリスネリア |
学名 | Vallisneria gigantea |
和名 | オオセキショウモ |
別名 | ジャイアントバリスネリア ジャイアントテープグラス テープグラス テープバリスネリア テープバリス |
科名 | トチカガミ科 |
原産 | 東南アジア、フィリピン、マレーシア、ニューギニア |
光量 | 普通 |
二酸化炭素 | 必要なし~少なめ |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 中硬水~硬水 |
水温 | 18~30℃ |
形態 | テープ状 |
栽培難易度 | 容易 |
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