水草の育て方1 (水草の種類)
アヌビアス・グラキリスは少し丸昧がかった三角形をした特徴的な葉をつけるアヌビアスの仲間です。
根茎を有し、ヤジリ型の葉の基部を内側に巻き込むため、全体に長三角葉に見えます。
小型化した長三角型ライトグリーンの葉を、長い葉柄の先端につけます。
生長は極めて遅く、1年に数枚の葉を出す程度です。グラキリスには細長いの意味があります。
アスビアスの仲間は葉や茎が堅い種類が多いですが、アヌビアス・グラキリスでもその葉や茎も硬く、その成長は他種に比べても、とても緩やかです。
アヌビアス・ナナやアヌビアス・バルテリーと比べると、葉や茎が堅いことも特徴のひとつです。葉柄は30cm余り、細く頑丈で通常茶緑色。
葉は三角状披針形または卵形、鋭頭、基部はややヤジリ形、葉片は,頓動または円脚、無毛です。
表面は艶のある帯褐緑色。葉長7~12cm 葉幅4~10cm。アヌピアスの仲間は水中でもよく花を咲かせることがあります。
花は葉よりやや低い花茎項部につき、紅緑色の仏炎包に包まれます。
包はやや細長く、苞の中は肉穂花序で上部が雄花群く下部が雌花群で自家受粉します。
アヌピアス・グラキリスの特性は自家授粉を行うことで、普通、アヌピアスの種類は他家授粉であり、一本の花はオシベとメシベの成熟速度が異なり、オシベが熟し花粉があるときにはメシベは未熟で、授粉は行えず、メシベが熟すとオシベは枯れてしまうので、いつまでたっても授粉は行われないのです。
自然ではほんの少しの時差で、別の株に咲いた花があった場合、うまくオシベとメシベの成熟が同じ時期の場合のみ、虫蝶によって授粉が行われます。
そのためテラリウムなどでこのグループ以外のアヌピアスが開花しても結実することはまずないのです。
しかし、アヌピアス・グラキリスは自家授粉を行うことがあり、テラリウム内などでも自然に結実して、そのまま種子が落ちて発芽していることがあります。
アヌピアス・グラキリスの種子は非常に小さく、底床に落ちた場合、砂粒の間に入り、肉眼での識別は困難です。
アヌピアス・グラキリスの花は気中でしか成熟しないので水槽で栽培されている場合には自家授粉が行われることはありません。熱帯魚店ではアヌビアス・グラキリスが、アヌビアス・バルテリーとして市販されることがあります。
アヌビアス・バルテリーの市販型は水上葉で葉のふくらむ部分はアヌビアス・グラキリスほど鋭角的ではなく、柔らかな丸みを持っています。
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水草の育て方2 (水草の育成)
アヌビアス・グラキリスは水中での生活にそれほど適応していない種類で、水槽栽培では小型化しやすいです。
市販型は水上型で、葉は硬く丈夫そうですが、水中に入れてからは、すでに形成されている新芽は付いている葉程度の大きさになりますが、その後は葉長5~6cm、葉柄10cmくらいにしかなりません。
しかも育成条件がよくないと、矮小化してしまいます。アヌビアス・グラキリスの育成は難しく生長も緩やかなことから、栄養分か豊富な底床に植え込み、二酸化炭素(Co2)の添加をして育てなければなりません。
変わり種のアヌビアスの1種で、他種には見られない葉形が楽しめるのですが、アヌビアス・ナナより沈水生活への適応力は少ないです。
アヌビアス・グラキリスの育成はかなり難しく、その成長速度も緩やかなことから、底床添加肥料などを添加した、栄養分が豊富な底床に植え込み、十分な二酸化炭素(Co2)の添加を行ないながら育成するようにします。
アヌビアス・グラキリスの水中育成は難しいですが、強軟水で弱酸性の水質を一定に保つのがポイントです。アヌビアス・グラキリスはアクア・テラリウムなどのほうが栽培が容易です。
このため水草レイアウトに使用するより、アクアテラリウムなどで、葉を水面上に出して育成するようにします。
テラリウムでは普通の水槽栽培よりも多めの光量にし、湿度をキープするため、蓋をしておくようにします。
水草の増やし方
アヌビアス・グラキリスの増やし方は、根茎の株分けが主な方法です。
アヌビアス・グラキリスの株分けは、葉が5枚程付いた茎をカッターや鋏で切り分けるだけで、特に問題はありません。
葉を全部切り落としたとしても、新しく小さな葉が出てきて成長するほど丈夫な水草です。
茎を切り分ければ、新芽を発芽させて子株を作ります。
ただ、アヌビアス・グラキリスは根茎を横に伸ばしながら殖える水草ですが、葉のついた根茎を3~4cm切り取っても、小さな葉をたくさんつけるだけで葉は大きくなりにくいです。
子株を大きくする方法が良いでしょう。
水草水槽のレイアウト
アヌビアス・グラキリスは水中葉を作るのですが、水草水槽では小型化し、生長も遅く水草レイアウトに使用されることは少ないのです。
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水草図鑑データ
名称 | アヌビアス・グラキリス |
学名 | Anubias gracilis |
和名 | |
別名 | |
科名 | サトイモ科 |
原産 | 西アフリカ熱帯域 |
光量 | 普通 20W×2~3本 |
二酸化炭素 | 必ず添加 |
水質 | 弱酸性~中性 |
硬度 | 軟水~弱硬 |
水温 | 20~28℃ |
形態 | テープ状 |
栽培難易度 | 容易 |
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