ムジナモ

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水草の育て方1 (水草の種類)

水草:ムジナモムジナモは池沼の岸辺の浅い場所に生育する、珍しい食虫水草です。
葉が「ハエトリグサ」と同じ様に二枚貝のような捕虫器官になっており、ミジンコなどの動物プランクトンを捕食します。ムジナモは、浮遊性の水草で、根は発芽時に幼根があるだけで通常は根がなく、水面下に浮遊して生活しています。ムジナモは、かつて日本の本州の数カ所の浅水の池沼中の水面下に漂流していた多年草ですが、現在野生種は絶滅しています。ムジナモは、日本では1890(明治23)年5月東京都江戸川区で、最初に発見されました。
その後利根川、信濃川、木曽川、淀川水系の一部でも発見されました。
最後に残った埼玉県羽生市の宝蔵寺沼の自生地は1966(昭和41)年7月絶滅し、現在日本には自生地がありません。
中国大陸北部、ヨーロッパ中南部、アフリカ、コーカサス南部、アムール、インドのベンガル地方、黒竜江沿岸およびオーストラリア東北部のクインスランドなどに自生の記録かあります。ムジナモは、全草小形、茎葉部のみからなり根はありません。ムジナモの茎は円柱状、径1mm前後、長さ10~30cm、分枝しながら成長、ときに50cmを越えるのですが、後瑞より順次茶褐色になり枯死します。
茎葉は鮮緑色、茎の節から5~8個の輪生葉を約5~10mm間隔で直角につけます。節間距離は茎の先ほど短くなり、若い輪葉か集まり頂芽となり、栄養がよければよく成長します。
輪生柔の径1.5~2cm、基部で合生し、托葉はありません。
長さ5~8mm、幅1.5mm、先端は掌状に5~6個分岐して長さ5~8mmの刺毛があります。
表面中央に中央脈状の条があり、亀甲状模様があります。
葉身部は径3~4m、2枚員状半円形の捕虫葉で、最外縁部は1層です。
その内側が2層の細胞からなりますが、中央脈寄りの大部分は、内表皮、中間層、外表皮の3細胞層からなり、内表面に30~40本の短い刺状の感覚毛と消化液を分泌する球形で無柄の腺が多数みられます。
また2層部の内表面にはX字状の吸収毛が分布します。ムジナモの捕虫葉は葉柄に約45度の角度で位置し、その両辺は90度以上の開度で展開します。
捕虫様式はわな型閉込式で、餌になる水生小動物が感覚毛に触れると瞬時に閉じます。花期は7~8月、水温が25~30℃になると、まれに開花することかあり、花は1日花で苗はありません。
頂芽に接した輪生葉の葉腋から高さ1~2cmの花柄が水面上に直立し、淡緑色で径5~6mmの目だたぬ花が1個咲き、日中2~3時間ほど半開します。
がく片5、卵状長楕円形、鈍頭、長さ2~2.5mm、緑色宿存、雄しべ5、花糸は線形、前は卵円形、花粉は球状、径約40μ、表面に多数の小突起があり、4個連結します。
花弁5、淡緑色、狭長楕円形、円頭で薄膜質.緑にかすかに鋸歯があり、長さ3.5~4m、子房上位、径2~2.5mm、卵球形で内部は1室、5条の側膜胎座があり.胚珠は各条に2、花柱5、糸状でやや長く放射状に広がります。
柱頭は扇状に裂けて平たく、やがて上方に曲がり、荊と共に1カ所にまとまります。ムジナモ(貉藻)の和名の語源は、房状の全形がムジナ(狢)の尾に似ていることに由来しています。熱帯魚ショップでの流通はあまりありません。

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水草の育て方2 (水草の育成)

ムジナモは、栽培は容易でないですが人工栽培でのみ見られる1属1種の珍奇な食虫植物です。ムジナモは、暖地産であるため、水槽栽培はタヌキモより容易です。
20~25℃の水温、二酸化炭素(Co2)の添加,強めの照明が必要です。
水槽では液肥と二酸化炭素(Co2)を添加すると、生育は速いです。屋外での水鉢栽培では、高さ5~15cm位の花茎を水上に上げ、上部に1~3個の唇形花をつけて総状花序を作ります。種子または殖芽で越冬します。

水草の増やし方

ムジナモは、花後、花柄は少しのびて下向し、水中で長さ約4mm、広卵形の萌栗をつくり言内部に長さ約1mm、楕円形、基部に小突起ができ、黒色で光沢のある種子をつくります。
秋ごろ、水温が10℃以下になると、頂芽の部分は節問が短縮して径3~5mm、球状の殖芽(越冬芽)となり、やがて水底に沈下して越冬します。
殖芽以外が枯死すると漂流して腐ります。有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。

水草水槽のレイアウト

ムジナモは、花冠は黄色で美しく鑑賞価値があります。
ムジナモの草体は糸状で貧弱ですが、アクアリウムでは中景から後景にポイントとして使用するなどして、珍奇さが喜ばれます。ビオトープなどでも育成できます。
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水草図鑑データ

名称 ムジナモ
学名 Aldro vandavesiculosa L.
和名 ムジナモ(貉藻)
別名
科名 モウセンゴケ科
原産 日本、アジア、ヨーロッパ、北米、ユーラシア大陸、アフリカ、オーストラリア
光量 普通 20W×3~4本
二酸化炭素 必ず添加
水質 弱酸性~弱アルカリ性
硬度 軟水~中硬水
水温 20~25℃
形態 有茎水草
栽培難易度 難しい

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