ヒツジグサ

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水草の育て方1 (水草の種類)

水草:ヒツジグサヒツジグサの和名「ヒツジグサ」の語源は、開花時間が「羊の刻」(午後2時頃)であることに由来します。
多くは睡蓮(スイレン)と呼ばれ、この属で日本在来種はこのヒツジグサだけです。
古来より寺社の池などで栽培され、鑑賞に供されてきた日本人には親しみ深い水草のひとつです。湖沼、池などに生育し、通常浮葉性。4月ごろ塊状の根茎から下方へ、径1~2mmのひげ根を叢出、上方へ水中葉と浮葉を根生します。
葉柄は細長く、横断面は楕円形で長径約7mm、短径約5mm。
その先に浮葉を頂生します。
葉身は卵円形か卵楕円形で、基部は葉柄まで深裂します。
長径10~20cm、短径5~15cmで全縁(ギザギザがない葉)。
円頭裂片はやや鈍頭。
表面は平滑濃緑色で、赤味をおびることもあります。
裏面は暗紫色です。ヒツジグサは主に浮葉性ですが、水中葉も生じます。
水中葉は葉柄が短く最初のものは箭形、その後のものは半円形で淡緑色、皺(しわ)かあり薄膜状、浮葉は馬蹄形でやや厚く、卵円状または卵状楕円形、葉柄まで深く裂けます。
シワがあり薄いです。ヒツジグサの浮葉は長径10~20cm、短径5~15cm、全縁(ギザギザがない葉)円頑、裂片はときにやや鋭頑、両裂片は少し開くか、ほとんど重なります。
裏面は濃緑色、ときに赤味をおびた緑色で光沢かあり、裏面は暗紫色、中央より放射状に出る葉脈は3脈だけ特に明瞭です。ヒツジグサの花期は6~10月。
根茎より長い花柄を水面までのばし、花径3~6cmの白色多弁花を1個開きます。
真夏の快晴の日は正午ころから開きはじめ、午後2時(羊の刻)ごろ全開、午後4時ころから閉じはじめ6時ころに閉じます。
昼夜における花の開閉運動は5~7日間です。
花は止血や鎮痛剤に利用できると言われています。ヒツジグサの花披はらせん配列。
萼片4、外側は緑色、広ひ針形または狭卵形、長さ3~3.5cm、基部はやや四角で広く、幅1~15cm、十文字に配列します。
花弁はふつう12~15、重なりあって並び、白色膜質、萼片より小形、外側のものは大形で広倒ひ針、内側はやや線形、外側の花弁はど大形です。
雄しべ50~60、輪生、外側はど幅広い線形、花糸の長さ5~10mm、幅1~3mm、葯は黄色で長さ3~4mm。
花粉は黄色で楕円形です。
子房上位、心皮は合着して多室、子房は6~8個、径約8mm、卵円形、柱頭は内側に曲がります。
胚珠は子房の全内面に着生します。
花托(花びら・雄しべ・雌しべ・萼などがつく部分。花床)はほぼ四角形、花後、宿がくに包まれ、子房と花托か発達して、高さ約1.2cm、幅約1.5cmの漿果(果実)ができますが、長い花柄はらせん状に縮んで水中に没し、成熟した後崩壊します。
花托の下半部は雄しべのついた痕跡があり、内部は海綿質で、粘液を含みます。
漿果内には未熟のときは紅紫色、成熟すると灰黒色になる袋状の仮種皮に包まれた長さ約8mmの袋果か多数でき、よく水に浮き移動します。約1日後、仮種皮の内部に水が浸入し、水底に沈みます。
種子は黒色で卵円形または卵状で平滑、長径2~3.5mm、短径1~2mm。
内部は白色の胚乳で満たされ、胚は径約1mmの球状。和名ヒツジグサ(羊草)の語源は、開花時間が羊の刻(午後2時)であることに由来します。
(スイレンの多くは早朝から開花しはじめ、午前9~10時ころ全開になり、午後1~2時ころには開花します。)日本産のヒツジグサを、本州中部山岳地帯から東北・北海道に分布するものを「エゾノヒツジグサ」、低地や日本南部の池沼に分布するものを「ヒツジグサ」の2変種に分けるとする説があります。
前者の「エゾノヒツジグサ」は葉の切れこみが切れない方の長さより短く、内縁が少し重なり、裏面が暗紫色をおびます。
花は、萼片および花弁は幅が広く、花径3~5cm、花弁はときに8個で少ないのです。
後者の「ヒツジグサ」は、裂片は葉の長さより長いか同じ、外縁は少し離れ、萼片および花弁の幅は狭く、花弁は10~20個で花径も4~6cm(まれに8cm)に達します。外来の園芸品種には、温帯性スイレンや熱帯性スイレンなど、大形で美しい花をつけるものが多く、葉形や開花時間もいろいろ異なります。
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水草の育て方2 (水草の育成)

ヒツジグサを植える水鉢の底に2、3握り程度の少量の土を入れ、肥料と混ぜ合わせ、その上から土を水鉢の半分程度まで入れます。
ヒツジグサを乾燥させないよう気をつけながら根茎が痛んでいないか確認します。
一度掘り起こされた古い根は腐り落ちるのでハサミ等で切り落とします。
痛んでいる根茎は柔らかく、掴むと崩れます。
根茎を横方向に寝かせるように配置し、新芽が出ている部分を埋めないよう丁寧に植えつけます。
ヒツジグサは水中葉を7~8枚展開した後、楕円状卵形の浮葉を出すようになります。
水槽で浮葉を展開させ育成すると、人エ照明でも中心が黄色の白い花を咲かせ、自家受粉して果実をつくります。ヒツジグサは種子または根茎で越冬します。
4月ごろ塊状の根茎から下方へ、径1~2mmのひげ根を叢出、上方へ水中葉と浮葉を根生します。

水草の増やし方

ヒツジグサの種子は4月ころ発芽、第1葉は針状、第2葉はやじり形、第3葉以後は馬蹄形の葉が出ます。

水草水槽のレイアウト

ヒツジグサは一般にはスイレンとして池や沼などで育成されます。
水槽でも育成可能ですが、水中葉より浮葉や花を楽しむためのアクアテラリウムやバルダリウムに向いています。
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水草図鑑データ

名称 ヒツジグサ
学名 Nymphaea tetragona
和名 スイレン
別名 ニムファ・テトラゴナ、スイレン、カッパグサ(青森)、カメバス、コレンゲ、その他●別名は多数。
英名 ポンドリリー
ウォーターリリー
ウォーターニムファ
科名 スイレン科
原産 日本(北海道、四国、九州)、中国大陸、インド北部、シベリア、北アメリカ、ヨーロッパ
光量 普通 20W×2~4本
二酸化炭素 なるべく添加
水質 弱酸性~弱アルカリ性
硬度 中硬水
水温 20~28℃
形態 浮葉性
栽培難易度 普通

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