水草の育て方1 (水草の種類)
ホザキノフサモは、全国各地の池沼やため池、河川のはか半かん水の水域にも群生する沈水性の多年草です。
日本では古来「フサモ」や「マツモ」と共に「金魚草」として親しまれてきましました。
北半球に広く分布しますが、南米やオーストラリアには見られません。ホザキノフサモの茎葉はフサモに比べ、やや軟弱で細長いです。
茎は円柱状で径2~3mm、下部の節より白色糸状で長さ5~10cmの根を多数泥中に出します。
茎の上方はよく分枝してのび、ときに1~2mに達します。
茎はデンプン粒を含む内鞘に囲まれた退行型中心柱です。葉は無柄の羽状葉で1~1.8cm間隔に4輪生、葉片は鮮かな緑色、羽状に全裂、長さ2.5~3.5cm、小葉裂片は糸状全縁、長さ1~1.5cm、13~15対つきます。ホザキノフサモの花期は5~10月、雌雄同株、水上に抽出した枝先に長さ3~8cmの穂状花序を直立、10~15節に各4花が咲きます。
花序は負の屈地性が著しいです。(屈地性:植物体がある刺激に対して、一定の方向をとって曲がること。刺激の与えられた側に曲がる場合を正の、反対側に曲がる場合を負の屈性といいます。)花序には葉がなく、苞は狭長楕円形に開き、長さ1~1.5mm、全縁、鈍頑、花序の上方に赤紫褐色の雄花が10節前後つきます。
雄花の花弁4、膜質、長さ約2.5mm雄しべ8、花糸はほとんどなく、葯は長さ約2mm、花粉は淡黄色です。
下方から上方へ順次開花し、花粉を放出後脱落します。
雌花は雄花の下方に5~6節つきます。
子房下位。
苞はひ針形、長さ約3mm、がく筒はやや鐘形で4個の溝があり、長さ約1mm、熟した果実は卵形、長さ1.5~2mm、4分巣に分離します。
分巣は半球状、暗緑褐色、背面に微毛と3~5個の突起があります。変種の「トゲホザキノフサモ」は果実の背面に硬突起がならぶので識別できます。漢字名は穂咲の房藻。水中葉は「フサモ」に酷似しますが、穂状花序はフサモより細長で、ホザキノフサモの花序には葉がなく、「フサモ」の花序には小さな水上葉がつくことで、両種の区別ができます。
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水草の育て方2 (水草の育成)
育成は容易で、生育は速いです。
水槽栽培は強光と液肥で可能ですが、トリミングなど手間がかかる水草です。
二酸化炭素(Co2)を多く添加すると節間は間伸びします。
肥料分が多いと茎上部は赤みが濃くなります。
殖芽をつくらず種子または根茎で越冬しますが、暖地ではそのままで越冬することもあります。
水草の増やし方
有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。
水草水槽のレイアウト
水槽では成長が早くトリミングが面倒です。
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水草図鑑データ
名称 | ホザキノフサモ |
学名 | Myriophyllum spicatum L |
和名 | ホザキノフサモ、キンギョモ |
別名 | ミリオフィラム・スピカータム |
科名 | アリノトウグサ科 |
原産 | 日本(北海道・本州・四国・九州・沖縄)、ヨーロッパ、北米、アフリカ北部、中国など北半球の温帯から亜熱帯に広く分布 |
光量 | 普通 20W×2~4本 |
二酸化炭素 | なるべく添加 |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 中硬水 |
水温 | 18~26℃ |
形態 | 有茎水草 |
栽培難易度 | 容易 |
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