水草の育て方1 (水草の種類)
クロモは池や水路に生える多年草です。
日本にも自生する有茎の水草で、アナカリスに似ていますが、節間がやや長く、葉にそれほどボソュームをもたない点で区別できます。
クロモ(黒藻)の和名の語源は、黒く見える暗緑色の草体に由来します。
黒い藻、そのまんまですね。日本に自生するクロモは、水質汚濁によって、極端に現象しつつあります。
諏訪湖及びその周辺ではすでに見ることができず、それに替わってコカナダモが勢力を伸ばしつつあります。クロモの葉は通常3~6枚ですが、まれに10枚輪生することもあります。
暗緑色無柄、線形、鋭尖頭、葉縁に細鋸歯があります。
通常、葉は柔軟であるが生育地域によっては硬質で折れやすく、また細い鋸艦歯が鋭く硬くなる場合があります。
葉は反転しネジレは少なく、全体に葉数が多く、葉縁の鋸歯が目立ちます。
茎は円柱形で長く伸供30~60cm時には2m近くに及ぶこともあります。クロモは雌雄異株で受粉方法はセキショウモ属や「アナカリス」とよく似ています。
雄花は各葉腋に1個ずつ付き、成熟すると水面に浮上開裂して花粉を放出します。
雌花は雌株の葉腋に単生します。
花柄状の子房が水面に伸供先端に小花を開き受粉します。クロモは葉片は外側に反って丸くなることがあり、同科の「ラガロシフォン・マヨール」に酷似した草形になります。
クロモはアナカリスよリ小型でコカナダモより大型です。
クロモは日本では帰化水草のアナカリスやコカナダモに生活圏を奪われつつあり貴重な水草といえます。クロモは種子または殖芽で越冬をおこないます。「クロモ」と呼ばれる海藻もありますが学名「Papenfussiella kuromo」でもちろん別種です。
こちらも北海道東北部や沖縄を除く日本各地の海に生育しています
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水草の育て方2 (水草の育成)
クロモの育成はそれほど難しくはないですが二酸化炭素(Co2)の添加を行い、肥料は液肥を与えた方がされいに育てることができます。
水槽内育成では、コカナダモやアナカリスと比較しては難しい面もあります。クロモの水槽育成は、二酸化炭素(Co2)の添加によってpHを中性以下にした方が望ましいです。
光量は強くする必要はなく、水質さえ適正であれば低光量でも育成できます。クロモは水流がな低肥料・低光量育成したものは、節間が長くなることがあります。
逆に、美しく育てるには、二酸化炭素(Co2)の添加と弱い水流、さらに液肥の添加が有効です。
良い環境で育てたクロモは、茎も太く5~6枚の葉を輪生させます。クロモは水温については幅広い適応性がありますが、pHに対する適応性は狭く、特に溶存二酸化炭素(Co2)の少ない弱アルカリ性の水槽では育ちません。
水草の増やし方
クロモは種子で殖えるほかよく分枝し、無性繁殖も盛んにおこないます。
有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。
水草水槽のレイアウト
クロモはアクアリウムでは数本から十数本をまとめ植えすることで、中景から後景として使用できます。
水草図鑑データ
名称 | クロモ |
学名 | Hydrilla verticillata (L. fil.) Caspary. |
和名 | クロモ、クルマモ |
別名 | ヒドリラ・ベルチキレイタ |
科名 | トチカガミ科 |
原産 | 日本(本州~沖縄)、朝鮮半島、中国大陸、台湾、マレーシア、オーストラリア、ヨーロッパ、マダガスカル、アメリカ |
光量 | 強い 20W蛍光灯×3~4本 |
二酸化炭素 | 必ず添加 |
水質 | 弱酸性 pH 6.0~7.0 |
硬度 | 軟水 |
水温 | 18~28℃ |
形態 | 有茎 |
栽培難易度 | 普通 |
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