水草の育て方1 (水草の種類)
ミズスギナは本州中部山岳地帯以北の高層または低層湿原の池沼や小川などの水辺または浅水中に群生する多年草です。
日本に自生するロタラの仲間で、沈水植物・抽水植物・湿生植物です。
ため池の岸辺に稀に生育します。
環境破壊の影響から生息域が激減しており絶滅危惧ⅠB類に指定されています。ミズスギナはミズドクサとも呼ばれますが、枝がないか、あっても短く長さ2 ~3cmの枝を不規則に出す型をミズドクサと呼び、20cm以上の長い枝を規則正しく多数輪生する型をミズスギナと呼び区別する場合があります。ミズスギナは日本固有種として知られていますが、ミズドクサとしては、朝鮮半島、中国北部、サハリン、シベリア、ヨーロッパ、北アメリカにひろく分布するとする説があります。ミズスギナは大群生することが多く、草高50~120cm、濃緑色、泥中に径2~3mm、多節の根茎を分枝しながら横走し、節から黒褐色のひげ根を多数出します。ミズスギナは地下茎が横走して節より水中茎を伸ばし広がります。
その長さは30cmにもなりますが、陸生では高さ10~20cmです。ミズスギナの葉は節に5~12枚輪生します。
水上葉は線形で長さ0.5~1cm、幅0.5~1mm。
水中葉は線形でやわらかく、長さ12~30mm、幅0.3mm。葉の先端は2裂します。
生育環境で葉の形は大きく変化します。ミズスギナの茎は円柱状で、節から上方に径5~10mmある管状の茎を1個ずつ直生します。
茎はやや堅く表面は平滑だが10~30条の縦溝があり、細長い隆起がみられます。
茎には髄腔(ずいこう)があり、茎の直径の4/5を占めるので、茎をつくる壁は薄いです。
茎の節より枝を出すものと出さないものとかあり、枝を出すものは不規則に出る場合と、長い細い枝を規則正しく多数輪生するものとがあります。輪生する枝はふつう茎の中央部に多いですが、1節から3~8個はば水平に輪生し、長さ10~20cmで再分枝しません。
葉鞘は緑色で茎に密着、歯片は溝線と同数であり.長さ5~10mm。
歯片は針状ひ針形、黒色、先端はとがります。
5~6月ごろ、胞子のう穂を直立茎に頂生、長さ1~2cm.長楕円形で、短い枝があります。ミズスギナの花は白色で、水上に伸びた茎の葉腋につきます。
また水中で閉鎖花をつけ、無性的に繁殖する可能性も示唆されています。ミズスギナの別名のミズドクサの語源は、抽水性のトクサに由来します。
漢字名は「水木賊、水砥草」で湿地帯に生える多年草のシダ植物です。
高さ50cm~1m、直径3~30mm位の茎で直立し、茎は緑色で縦に細かい10~13本の溝を持っています。
枝は節から斜め上に伸び、通常輪生。
茎は固く、ギザギザしていて刃物を研ぐことができるということから「砥草=とくさ」と呼ばれるといいます。
寒地性で、外見はトクサの大形種に見えます。北海道のニセコ地方や天塩地方の高層湿原には「フサスギナ」が知られます。
栄養茎は高さ30~50cm。
茎の葉鞘は長さ10~1m8m、歯片は3~4個、幅広く赤掲色です。
枝は1節から10~13個水平に輪生し、長さ5~12cmで再分枝し、先端は下垂します。
胞子茎は栄養茎と形態は同一です。ミズドクサの類似種に「イヌドクサ」があります。
ミズドクサは鮮かな緑色、茎がやや太く、径5~10mm、髄脛は茎の直径の少なくとも4/5を占め、茎の壁が薄く、皮層に気道かないのに対し、「イヌドクサ」は白緑色、茎がやや細く、径3~5mm、髄腔は茎の直径の4/5以下なので、茎の壁が厚く、皮層には溝に対する気道があるので識別できます。ミズスギナは育成が容易なためか、最近は養殖物を観賞魚ショップや通信販売で見かけることも多くなってきましました。
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水草の育て方2 (水草の育成)
ミズスギナの育成は容易で、強い光と二酸化炭素(Co2)の添加と液肥を授与すると生育は早いです。
草体はうっすら赤みがかる事が多く、特に頂芽がライトに近くなるとほのかなピンク色をつけます。
しかし水槽内では緑色になってしまうことが多いです。これを防止するには鉄分供給が有効です。
ミズスギナは二酸化炭素(Co2)添加は必須で、光量が落ちると直ぐに貧弱な草体になってしまい、いつのまにか消えてしまうこともあります。底床は砂系でも育ちますがソイル系の方が安定します。ミズスギナは産地によって色彩に変異があり、赤みの強い個体もあります。
胞子または根茎で越冬します。ミズスギナは夏~秋に陸生では葉腋に径1~2mmの花をつけるのですが、沈水状態では閉鎖花をつけ結実します。
冬、突き出た茎は水面に倒れ水の中で越します。
水草の増やし方
有茎水草の増やし方はいろいろあり、どの増やし方も簡単です。
最も一般的で、初心者の方にもおすすめの増やし方は「さし芽」によって繁殖させる方法です。
有茎水草がある程度伸びたら草体のほぼ真ん中で切ります。
茎の途中の節に根が出ている場合はその場所で切るのも良いでしょう。
切断する位置は茎の節の下から5mmほどの所です。
切り取った上の部分を底床に植えて固定すれば、やがて根付きます。
残った下部もまた同様に底床に植えて固定すれば、やがて脇芽を出して増やせます。
側枝を作る場合も多く、側枝が水面まで伸びてきたら、また茎節の下5mmの位置でカットして床砂に植えます。
こうしてどんどん増やすことができます。「取り木」よる方法もあります。
有茎水草が底床に根付いている状態で、そのまま茎を寝かせ、茎頂辺りを石などで軽く固定します。
すると、やがて茎節から新芽と根が出てきます。
新芽が5cmほどに生長したらそれぞれをカットし、新たに植え直します。
水草水槽のレイアウト
ミズスギナは「リスノシッポ」に代表される極細葉系のロタラです。
水槽にも戸外の池にも向いています。
他にはトクサも庭園によく用いられます。
ミズスギナは屋外ビオトープ等では直ぐに水面を付きだして、節から小さな花を咲かせます。
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水草図鑑データ
名称 | ミズスギナ |
学名 | Rotala hippuris |
和名 | ミズスギナ、ミズドクサ(水木賊、水砥草) |
別名 | |
科名 | ミソハギ科 |
原産 | 日本(北海道、本州、中部以北)、朝鮮半島、中国北部、サハリン、シベリア、ヨーロッパ、北アメリカ |
光量 | 普通 20W×3本 |
二酸化炭素 | 添加 |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
硬度 | 中硬水 |
水温 | 22~28℃ |
形態 | 有茎水草 |
栽培難易度 | 容易 |
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